案内犬 ゴン
30年ほど前に実在した不思議な犬のお話しです。
昭和60年代ごろ、和歌山県、高野山に一匹の白い野良犬がいました。
九度山駅と慈尊院を結ぶ途中にある丹生橋の近くに住みついていた
紀州犬と柴犬の雑種の白いオスの野良犬。子供がとても好きで、毎日、登下校時に
一緒に歩いてついていったそうです。
いつしか、参拝者を九度山駅と慈尊院までの道のりも案内するようになりまし
た。
この野良犬は、慈尊院から聞こえる鐘の音にいつも反応し、大好きだったようなので、
地元の方から、「ゴン」と呼ばれるようになったそうです。
最初の頃は九度山駅と慈尊院の間を案内するだけだったのですが、平成元年ごろから
慈尊院をねぐらとして、高野山町石道の20km強の道のりを朝、慈尊院を発って、
夕方に高野山上の大門まで参拝者の道案内し、夜には慈尊院に戻る毎日を送っていた
そうです。 (← なんて感動ー )
往復して、ざっと40km強・・・・
人間の足で、往復10時間強です・・・・・
しかし長く険しい山道を連日のように歩き続けたため、
体力的・年齢的にも相当の負担がかかったようで、平成4年をもってガイド犬を
引退し、その後老衰の為、推定27歳、平成14年6月5日午後3時50分に息を引き取り
ました。(人間にして100歳ぐらいです)
約1200年前の弘法大師の時代にも高野山の案内犬がいたという伝説があり
このゴンは
「弘法大師の案内犬の再来・生まれ変わり」、
「お大師さんの犬」
として親しまれてきました。
その理由として
① 空海さんを案内した犬は白と黒の2匹で、ゴンは白い犬。
② 空海さんの母公の命日でもある2002年6月5日に息を引き取った。
③ 九度山駅に到着した参拝者を、一瞬で見抜く事ができた事。
(お写真をおかりしてます)
その他にも、道案内をされた参拝者が感謝をこめて、食べ物を与えても、
一切口にしなかったり(食べ物欲しさで案内したわけではない)
危険な道や、マムシがいるところでは吠えて知らせ、途中参拝者が無事か、振り返りな
がら、気遣かったりと、安全に案内していたそうです
ネットで検索しても、ゴンの写真数は少ないですが、
お気に入りの、こちらの写真をアップしました。
ゴンです
風格ただよう、優しい犬ですね。
みんなから愛されたゴンがこの世を去った後、慈尊院には「ゴンの牌」が置かれまし
た。10年以上経った今でも、ゴンの人気は衰えず、
多くの参拝者がゴン目当てで足を運ぶそうです。
ちなみに、慈尊院の住職さんは、大の犬嫌いだったそうですが、
「ゴンに無事に案内していただきました」
と御礼のお手紙がたくさん届いてからは、事実を知り、いくつものご縁を通じて、
ゴンを飼い始めたそうです。
晩年では、ゴンにたくさんの愛情を注いだそうです。(泣けます・・)
書籍や、映画化?もされているようです
不思議な犬、ゴン。
ゴンのおかけで、高野山へ一度行ってみようと思いました
30年ほど前に実在した不思議な犬のお話しでした