「ミノキシジル」には血管拡張作用があり、1960年代から高血圧の治療薬として使われてきました。ところが、服用すると髪の毛や手の甲の毛が太くなるという副作用があることが分りました。

他の多くの血管拡張薬には育毛効果がないのに「ミノキシジル」のみ髪が濃くなることから、「ミノキシジル」には毛をつくりだす毛母細胞を活性化し、薄毛を改善する作用があると考えられています。育毛剤としては1988年に米国食品医薬品局(FDA)が認可し、現在は世界各国で販売されています。

発毛効果

「ミノキシジル」で育毛効果が現れるまでに4~6ヵ月かかり、薄毛の進行を遅らせたり、抜け毛を減らす効果が報告されています。血管拡張作用により毛乳頭細胞へより多くの栄養素や酸素を運ぶために、男性型脱毛症(AGA)の症状だけでなく他の脱毛症にも効果があると言われています。

部位では頭頂部に効きやすく、生え際部分には効きにくいことがわかっていますが、万人に同じ効果がある訳ではありませんので効果を確かめながらお試しください。

すべての育毛剤に言えることですが、育毛剤の効果は一時的なもので、使い続けないと効果が持続しません。使用をやめれば効果が消えて3~6ヵ月後に、元の状態に戻ってしまいます。

使用上の注意

元々は血管拡張薬なので、心臓病や腎臓病の方は使用を避けるか、ご使用前に医師にご相談ください。濃度が濃くなるとかぶれやすくなります。フォーム状の製品はプロピレングリコールを成分に含んでいないのでかぶれにくくお勧めです。

錠剤のミノキシジルは日本では認可されていません。副作用が残る可能性がありますので内服はお勧めできません。

使用方法

男性用が5%溶液、女性用が1%溶液として市販されています。女性が5%溶液を使うと体毛も濃くなる場合があるものの1%溶液では効果が限定的なために、女性には3%溶液をお勧めしています。

当院ではジェネリック医薬品の「ミノキシジル5%溶液」を取り扱っています。男性でお試しになりたい方や、女性用の3%溶液の作り方と使用方法など、詳しいことはお気軽にお問い合せください。

「ミノキシジル」を使った育毛剤は比較的お求めやすい価格で、継続して使うには便利で人気も高いです。植毛の本場アメリカでは、植毛を行った後も植毛の効果をより高めて、脱毛の進行を予防することを目的として、「ミノキシジル」の塗布と「プロペシア」の内服を併用する方法が、一般的に推奨されています。