第12回ヨーロッパ毛髪外科学会(ESHRS)のご報告
2009年5月27日~30日、第12回ヨーロッパ毛髪外科学会(ESHRS)で、紀尾井町グループの柳生元院長は”Safe Operation in High Risk Patients”というテーマで研究発表をおこないました。内容は、心臓病や大動脈瘤などの持病をもつ多数の人々に安全に植毛手術をおこなった経験を発表したものです。柳生元院長の長年の心臓血管外科医としての経験に基づいて、リスクの高い患者さんに安全な植毛手術をおこなう工夫を発表しました。この発表は世界の多くの植毛専門医たちから絶賛され、発表後に多くの専門医より握手を求められました。すべての患者さんで、万全の準備のもとに、十分に全身の体調管理を整えた環境で、最も安全な手術をおこなっている、紀尾井町クリニックの高度な植毛技術が高く評価されました。
「心臓病を持つ患者さんに安全に植毛手術をできる、世界でただ一人の植毛医だ。他のどの植毛医にもまねはできない。ありがとう、柳生博士。」(ESHRS元会長フランスFrechet博士)
「今回の発表は大変勉強になった。明日からの治療でさっそく参考にしたい。」(ESHRS幹部ドイツNeidel博士)
「今まで長年の間、心臓病の患者さんの植毛手術は引き受けたことがない。アメリカに植毛医は多いが、誰も引き受ける医師はいないだろう。普通なら手術を断られるような高リスクの患者さんで安全な手術をおこなっている。すばらしい結果だ。」(国際毛髪外科学会(ISHRS)元会長アメリカStraub博士)
「心臓病のある患者さんは、こわいので植毛手術は断っている。手術中に何か起こったら大変なので今後も心臓病の人の植毛手術はおこなうつもりはない。今後、心臓病のある人が植毛を希望してきたら、日本の柳生先生に紹介することにしよう。」(韓国Seo博士) など高い評価が寄せられました。
ラウンドテーブル・ディスカッションの司会
学会3日目の午後におこなわれたラウンドテーブル・ディスカッションでは、柳生元院長が座長に指名されました。
さらに、世界を代表する有名な植毛専門医たちと壇上に並んで、柳生元院長が討論に参加しました。
特に、心臓病を持病に持つ患者さんに植毛手術をおこなう際の、いろいろな対策について、具体的な質問が柳生元院長に集中しました。長年の心臓外科手術の経験に基づいて質問に答えたことが、欧米の植毛専門医たちに大変参考になったと喜ばれました。
今年のラウンドテーブル・ディスカッションでは他に、自毛植毛の定着率を向上させるための方法、喫煙による定着不良に対する改善策、若年者の植毛、広範囲の脱毛症例の治療法、などが熱心に議論されました。今回のラウンドテーブル・ディスカッションは大変な盛況で、予定時間を大幅に延長して熱心な討議がおこなわれました。植毛で現在問題になっている多数のテーマが取り上げられ、内容の濃い充実した討議がおこなわれました。
話題
今回の第12回ヨーロッパ毛髪外科学会(ESHRS)およびライブ手術ワークショップの第12回学術総会は、5月27日~30日ポルトガルのリスボン市で開催されました。
かつて世界の海を制覇し、はるか日本までキリスト教や鉄砲、カステラを伝えた勇敢な人々は、今でも漁業が盛んで伝統的な文化を継承する生活をしていました。
今回の学会会場はLisbonで最も格式の高いFour Season’s Hotel Ritz-Lisbonでした。ヨーロッパを中心に世界各国から多くの植毛専門医が集まり、研究発表と討論が熱心におこなわれました。
今回の学会でのトピック:生え際の自然さ、trichophytic closure法の評価、広範囲脱毛の効果的な治療、ヨーロッパでのプロペシアの臨床効果の集計報告、まつ毛の植毛、女性の生え際、高密度植毛とその結果、などで新しい内容の発表がみられました。
ライブ手術:FUT法、生え際のデザイン、ドナー部の傷跡の修正、まつ毛の植毛、Frechet3フラップ手術、trichophytic closure法、など多くの手術が実演され、大勢の参加者が実際の手術を見学しました。