お尋ねします(ひろしさんの投稿)
自毛植毛を考えていますが元々丸刈りにしているので、植毛后も丸刈りを考えています。この場合ドナー部の傷に対しても植毛を行えば丸刈りは可能でしょうか?不可能な場合どれくらいまで髪の毛を短くすることが可能でしょうか?一般的な場合とケロイドになった場合(最悪の場合)について答えてください。
ひろし
お返事
ひろし様へのお返事
お問い合わせ、ありがとうございます。
丸刈りや、坊主頭、スキンヘッドなどに近いヘアスタイルをなさると、ドナー部の傷跡は見えてしまいます。
一般的には、ドナー部の傷の周囲の髪の長さが2cm以上あれば、他の人からドナー部の傷跡を見られることはなくなります。
初回の移植手術の場合は、ほとんどの方で、ドナー部の傷跡は、細い線状の傷跡になってきれいに治ります。2〜3回目以降の植毛手術のドナー部で、その部分の頭皮のテンションがきつい方には、ドナー部の傷跡の幅が広がりやすい傾向がみられます。
ケロイド体質の人は、体のあらゆる傷がケロイドになる傾向があります。どんな縫い方をしても、どんなにきれいに縫っても、数年後には肥厚性瘢痕の状態になる可能性が高いのです。逆に、今までのご自身の体の傷をご覧になって、それがケロイドになっていなければ、ご心配ありません。外科医が注意して縫合をおこなえば、ケロイド体質のない方で傷跡がケロイドになる可能性は、通常、高くありません。
もし、ケロイド体質がおありの場合は、長髪にすれば、ドナー部の傷跡がケロイドになっても隠せるでしょうが、ケロイドになるリスクを分かっているのに傷をあえて作るのも問題ですし、移植部のスリットの傷跡もケロイドになる可能性も考えられます。自毛植毛は自然な仕上がりが重要な要素ですし、生え際の傷は後まで目立ちますので、ケロイド体質がおありのことが、あらかじめ分かっているような方には、基本的には、自毛植毛の治療はお勧めしません。
医師 柳生