質問です。(ワイドさんの投稿)

些細なことなのですが質問があります。

1 後頭部と側頭部は生涯生え続けるとのことですが、加齢とともに薄くなる人もみたことがあります。もし、若いうちに植毛した場合、30、40年後にドナー部の周りが薄くなった場合は傷が見えてしまうのでしょうか?

2 将来、ドナー部に傷をつけないで植毛ができる可能性があると聞いたことがあるのですが、もし実現した場合植毛手術をしてドナーが無くなった人でもできるのでしょうか?

ワイド

お返事

ワイド様へのお返事

ドナー部に傷跡が残ることは現在の方式の自毛植毛治療の欠点の一つです。

ドナー部の縫合技術に関しては毎年の国際学会でも技術改良の工夫が報告されています。縫合方法を工夫することでドナー部の傷はかなり目立たなくなるのです。とくに最近1〜2年間で世界中の植毛専門医の縫合方法が変わり、改良法が世界の趨勢になってきました。紀尾井町グループでもこの最新の縫合方法を採用しています。この新しい縫合方法で手術すれば、かなり分かりにくく目立たない傷になる可能性が高くなります。
そうは言いましても、もちろん結果に多少の個人差はあります。

ご質問の①ですが、基本的に耳の後ろの範囲でドナーを採取していますので、側頭部の薄毛が進行しても、将来的に、ドナー部の傷はほとんど見えないはずです。後頭部まで薄毛になる人はまれですので、後頭部の傷が見えるようになる心配は通常はないと思います。

②将来、毛根細胞の培養移植の技術がすすんで、培養して増やした細胞を移植する形の植毛が実現されれば、わずかなドナー細胞を採取するだけで、たくさんの髪を生えさせる夢の治療が可能になるでしょう。
現状ではまだ夢の話ですが、いずれ将来は実用化される日が来るかも知れません。

医師 柳生

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