髪密度について（鈴村さんの投稿）

鈴村様へのお返事

お返事が遅くなりまして、申し訳ございませんでした。
まだ薄毛でない方の場合、将来薄毛が進行する可能性があるのかどうか、あるいは既に薄毛の進行が徐々に始まっているのかどうか、気になるところです。
男性型脱毛症が進行する際に、一般的には、Ｍ字の後退から始まって生え際の後退が進行する場合と、つむじ周囲とその前方の薄毛から始まる場合と、主に２種類あります。
その意味で、Ｍ字の後退は男性型脱毛症の初期症状である可能性があります。

髪の密度を決める要素は、毛の直径と、長さと、単位面積あたりに生えている毛の本数です。計算式としては、髪の密度は、毛の直径の２乗に比例し、本数と長さの１乗に比例します。このことからわかるように、髪の密度に最も大きな影響を与えるのは毛の直径です。
頭髪の直径は、頭皮の場所によって違います。単位面積あたりの本数も、頭皮の場所によって微妙に違います。つまり髪の密度は、ご指摘の通り、頭皮の場所によって違うのです。

頭皮の色は、日焼けすると変わりますので、髪型に影響されます。前髪を下げる髪型では、左右のＭ字部分の頭皮が日焼けしにくく、おでこの日焼けした部分より白っぽく見えるはずです。他の髪型でも、髪で隠れている部分は日焼けしにくいので、色の差ができます。
ご指摘の通り、生え際が後退すれば、日に当たらなかった部分の頭皮が見えてくるわけですが、実際には、生え際の後退は年の単位でゆっくり進行しますので、頭皮の白い部分が急に見えてくるという状況は少ないと思います。

医師　柳生