移植部分の大量脱毛について(Tさんの投稿)
林先生に2008年(前頭部)と2009年(頭頂部)のそれぞれ9月に施術をしていただいた者です。その節はどうもありがとうございました。
2010年のちょうど2年前からプロペシアを服用していますが、1年前の夏などは太い毛も多くなり、ボリューム的にかなり満足していました。
今年冬くらいから徐々にまたボリュームが減ってきたのは仕方がないなとは思ってましたが、ここ1,2ヶ月の抜け毛が尋常でなく、浴槽で50本、ドライヤーで50本くらい毎日ターミナルヘアーと思われる大量の太い毛が抜けます。
毎日それくらい普通に抜けると言われればそれまでですが、明らかに1ヶ月前と今の頭皮の透け具合が別人のように違いますし、驚いているのは移植した前頭部部分がはっきり薄くなってきていることです。
昨年の夏まではドライヤー時でも太い毛が2,3本しか抜けなかったですし、太い毛ばかり抜けることで見た目が薄くなるのが日に日にはっきり分かるため、明らかに異常な状況と感じています。
元々移植した部分はある程度薄かったことから、既存毛がほぼ抜けてもそこまで薄くならないと思っていますし、移植毛の脱毛ではないかと推測しています。
そこで、今考えられる状況としては、
①移植された部分が3年を経過し、一斉に毛周期の終わりを迎えて抜け始めている過渡期
②プロペシアの長期服用で、移植された部分の毛胞までDHTの感受性が高くなってしまっている
のどちらかでしょうか?またプロペシアの服用を止めるかどうか迷っていますが、1週間くらい中止して抜け毛の数について様子を見るべきでしょうか。一向に止まる気配がありませんので。それでも仮に太い毛がこれからまた生えてくるとしても、あと4〜6ヶ月は待たねばならないと思うとちょっと辛いです。
長々とすみませんが、ご教示いただければ幸いです。よろしくお願いします。
T
お返事
T様へのお返事
ご投稿有難うございます。
順調に経過されていたのに最近抜け毛が多くなって来ているとのことでご心配なことと存じます。
①に関しては、同時期の植え付けでも毛周期には年単位のタイムラグがございますので薄毛が目立つ程に移植毛が一斉に抜け替わることは考え難いように思います。
②に関しては、元々移植毛には遺伝子的にアンドロゲンに対する感受性がありませんので何年経過しても移植毛がDHTの影響を受けることはありません。ただし、本来残っている頭髪に関しては、加齢に伴い進行する可能性がありますし、移植毛もDHT以外の要因で抜け毛を起こすことは考えられます。
通常、全体の10%程度の頭髪が常に抜け替わる毛周期にありますが、何らかの要因(季節・ストレス・低栄養・頭皮環境・皮膚疾患・内分泌疾患など)で10%が20%、30%と増えることがあります。この場合、一時的に休止期に入った頭髪が多くなるので外見上は薄毛が進行した状態になりますが、原因疾患を特定して適切な治療を施せば改善するはずです。
今後も抜け毛が続き、薄毛進行が止まらないようであれば、AGA以外の原因疾患の精査が必要と思います。ご心配な状態が続くようでしたら直接クリニックにご連絡下さるようお願い致します。
カルテの移植記録などを確認してご心配な状態を詳しく伺うように致します。
尚、原因は定かでございませんが、プロペシアは継続されていた方が無難と思います。
医師 林