抜け毛の状態(きょうすけさんの投稿)
2012年1月に手術を受けました。
ありがとうございました。
既存の毛の抜け毛で、いままでにない抜け毛が多数発見されています。
それは、12cm程度の長さの抜け毛で、毛根から
2cm以内のところだけ妙に直径が小さくなっているものです。
これはAGAの影響でしょうか?
AGAでも、たったの数ヶ月で急激に症状が進行するケースもあるようなので、心配です。
心当たりがあるとすれば、直近3ヶ月間
ニゾラールシャンプー2%を使っていて、とても
皮脂が増加したため、中止したことです。
前頭部に局所的に、用いたことがまずかったでしょうか。
きょうすけ
お返事
きょうすけ様へのお返事
今年1月の自毛植毛手術の際は、当院をお選びくださいまして、誠にありがとうございました。時期的に、そろそろかなりの移植効果が実感できておられることでしょう。
さて、最近の抜け毛は、ご指摘の通りなら、通常の抜け毛とは少し様子が違っているようです。抜け毛を詳細に観察しておられますので、もし大部分の抜け毛が同じ所見なら、最近数か月間の出来事にその抜け毛の原因があるかも知れません。その意味で、確かにニゾラールシャンプーの使用時期と一致しているようにも思われます。ほかにも何か原因があったかも知れませんが、もしかしたら、ニゾラールか何かが原因になって、皮膚に炎症反応が起こったのかも知れません。
もしご心配な場合は、この可能性が正しいかどうかも含めて、今後の対応や治療方法を、皮膚科の専門医にご相談ください。
ニゾラールは、薬剤名をケトコナゾールと言いまして、真菌(カビ)の感染の治療や、真菌感染が原因で起こっているタイプの脂漏性皮膚炎の治療などに使われる薬剤です。副作用としては、接触性皮膚炎、発赤、皮膚剥脱、刺激感、紅斑、びらん、掻痒などが見られる場合があります。つまり、どんな薬でも、薬に対する反応には個人差がありますので、体質によっては皮膚に塗った薬が原因で、頭皮に炎症反応が起こる可能性があるという意味です。
ケトコナゾールは、白癬(水虫の原因)やカンジダなどのカビ(真菌)の感染が原因になって、ふけ症や脂漏性皮膚炎、脱毛症が起こっている場合に、その原因を取り除き、毛髪の成長を取り戻すために使用する薬です。真菌に対して強力な効力があります。しかも、皮膚の角質に親和性が高いので、皮膚貯留性が高い薬です。また、皮膚への刺激が強い薬ですので、数日間以上の間隔をあけて使う必要があります。逆に、真菌感染がない場合は、使う必要がない薬です。
もしケトコナゾールが原因で頭皮に炎症反応が起こっていた場合は、もう使用を中止されていますので、いずれ炎症反応がおさまって、抜けた髪もまた元通りに生えてくるでしょう。一時的な炎症が原因で生じた抜け毛は、原因が取り除かれて炎症がおさまれば、必ず、また元通りに生えてきます。どうぞご安心ください。
もし今後、ケトコナゾールの使用を再開される際には、皮膚科医師と相談されながら、使用量や使用頻度に注意されることが必要でしょう。
医師 柳生