軽度の薄毛 (林先生のお答えに対して)(JFさんの投稿)
40歳の男性です。実は3年ほど前、友人より「ちょっとつむじのあたりが薄くなってきるかも」と指摘され大変驚いてしまいました。まさか自分が薄毛に悩むとは思いもしませんでしたので。
NHT専門の医師にも診てもらったのですが、「軽度なのでNHTは薦めない。しかし、それでもどうしても気になるようだったら、将来少しくらいなら…」、と言われました。今はPropeciaを服用しています。
その後色々と考えたのですが、僅かのNHT手術で今後の気分が晴れるであれば、と考えるようになりました。
さて、林先生は、「薄毛が極めて軽度の場合は移植をお薦めしない」と書いてらっしゃいますが、どうしてなのでしょうか?NHTについてこのサイト上に書かれてある事が正しいとすれば、結果にマイナスとなる点は無いように思われますが…(勿論、費用の問題を除けば、です)。むしろ、早期・軽度のヒトの方が、自然かつ有効な結果が得られるのではないでしょうか?
お忙しい中恐縮ですが、ご意見お聞かせ下さい。よろしくお願い致します。
ーJF
JF
お返事
JF様へのお返事
ご質問ありがとうございます。
勤務日の関係で、代わりにお答えいたします。
NHT式自毛植毛では、植毛した毛髪はほぼ100%近い定着率で生えてきます。ですから、どんな場所に移植しても、ほぼ予定通りの密度アップが可能です。その意味では、ご指摘の通りです。薄毛が極めて軽度でもNHT式自毛植毛で密度アップすれば、実質上の密度がそれだけ増えるので安心できそうです。
実は、問題は、人間の目の精度がそれほど高くないということなのです。見た目の錯覚とでも言いましょうか。
白人の症例で参考になるデータがあります。1999年にMarrittが発表した論文です。茶色の髪に白色の肌だと想像してみてください。その場合、頭髪の密度が100%から50%に減少するまでの間は本人も周囲の誰も薄毛の進行に気がつかないのです。50〜40%に減少すると、髪が濡れたときなどに鏡を見て、まず自分で薄毛に気がつくようになります。この時点でもまだ周囲の人は気がつきません。25〜20%に髪の密度が減少すると、誰が見ても薄毛だと判断するようになります。これからさらに薄毛が進行すると、かなり短時間のうちに薄毛が進んだような気がするものです。
日本人の場合、黒髪と肌色の色のコントラストが強すぎるので、白人の場合よりも少し早めに薄毛が目立ち始めます。実験的なデータはありませんが、おそらく髪の密度が60〜50%以下になると、髪が濡れたときなどにまず自分で薄毛に気がつき始めるだろうと思います。
逆に言うと、頭髪の密度が60%以上の部分と、密度が100%ある部分は、見た目に差がないということです。密度が50〜40%以下になった場合は、植毛して密度を60%以上に増やせば、ほぼ100%の濃さと同じに見えるようになるのです。この変化は劇的な密度の改善のように感じられますので、自毛植毛のよい適応になります。
ところが、頭髪の密度が60〜50%前後の場所に植毛して密度を80〜90%にしても、ご自分でその効果を実感しにくいのです。植毛前と全く変わらないように思えるのです。これではお金がもったいないので、手術を受ける意味が無い、手術はおすすめしません、ということです。
林医師が「薄毛が極めて軽度の場合」と表現しましたのは、髪の密度が60〜50%前後以上ある場合という意味なのです。
現在の髪の密度が50〜40%前後以下の場合は、自毛植毛をぜひお勧めします。
もう一つ理由があります。それは、つむじの部分は、髪が四方八方に広がるので、100%の髪の密度の人でも、地肌が見えるということです。つむじの部分の地肌が見えるからと気にして受診された方を実際に詳しく調べて見ると、髪の密度が60〜90%以上あって、まだ薄毛とは言えない場合がとても多いのです。
ですから、一番いいのは、無料診察をもう一度申し込まれて、今の実情を直接詳しく診察してもらうことでしょう。そうすれば、現状の髪の濃さや、頭髪・頭皮の状況など、いろいろ詳しく検査して、現状で最も効果的な治療法が何なのか、お話できると思います。
どうぞご遠慮なく、もう一度、無料診察をお申し込み下さい。
一人でいろいろ考えて悩んでいるよりも、現状を正しく把握して、安心できるほうがいいではありませんか。
医師 柳生