先尖毛(一郎さんの投稿)
「先尖毛とは10cm未満で毛根があり、毛先がとがっている毛を短小毛といい、3cm未満の短小毛をうぶ毛と区別している。この毛の毛穴から次に生えてくる毛は、もっと短く細くなるか、境界線を超えてうぶ毛となり、回復困難になる。」という記事を見たのですがこれは本当なのでしょうか。また、「自然脱毛の毛の2割以上が先尖毛だと男性型脱毛である。」いうのは本当ですか。どうかご解答のほどよろしくお願いいたします。
一郎
お返事
一郎様へのお返事
毛髪の基礎的な医学研究はいろんな方面から進められています。それぞれの研究テーマでいろんな表現がされるので、研究角度によって表現も変ることはよくあります。
髪の種類は、色や形や直径から分類されることが多く、直径でいうと、平均的な直径は約70〜80ミクロンでこれを終毛といい、直径が30ミクロン以下になった細い髪をうぶ毛といいます。
髪の直径は毛球部の大きさで決まり、毛球部が正常の大きさであれば太い終毛になりますが、毛球部が小さくなると細い毛にしかならず、成長期も短縮して短い毛のまま抜けることになります。
出生時は細いうぶ毛(軟毛)で覆われていますが、小児期から思春期にかけて毛周期を繰り返しながら太い終毛(硬毛)に変るのは男性ホルモンの作用が関与していますが、成人以後に加齢に伴って毛周期のたびにうぶ毛の割合が増えていくのも男性ホルモンの作用によるもので、その変化が比較的早期に起こるものが男性型脱毛症です。
毛周期では、頭髪の約85〜90%が成長期で、休止期の毛は10数%で、1日に約100〜200本の頭髪が抜け落ちますが、毛周期にしたがって再生してくるので一定数の頭髪が保たれています。休止期が延長して成長期が短くなり、うぶ毛の割合が増加すると、頭髪の総数は同じでも男性型脱毛が進行した状態になっていくのです。
薄毛の進行は基本的には誰にも止めることはできませんが、進行を遅らせる方法はあります。それは適切な育毛剤を継続使用することです。
それに対して、薄毛にならない髪を再配分して薄毛や脱毛の部分に終毛を増やす方法が自毛植毛です。
医師 柳生