傷跡(クロさんの投稿)
たびたびすみません。先日傷跡に関して質問させていただいた者ですがもう一つ質問させて下さい。傷跡が目立たないための髪の長さは分かったのですが、術後何日ぐらいでそのような状態になるのでしょうか?髪を短く刈っている場合術後2〜3日ではさすがに傷跡は目立ってしまうのでしょうか?また傷が目立たない縫合とは具体的にどのような縫合なのですか。ちょっと医学をかじっているもので気になります。
あと予約に関してなのですが、混み合うシーズンもあると思いますがだいたいどのくらい前に連絡すれば予約はスムーズにできますか?よろしくお願いします。
クロ
お返事
クロ様へのお返事
手術の際は、ドナー採取部の髪を数ミリ程度に短く刈ります。この髪を刈った範囲の髪が2cmの長さに伸びるのは、約2カ月後です。従いまして、約2カ月後にはドナー部の傷跡は2cmの長さの髪に埋もれて外からは見えない状況になります。ドナー部の髪が1.5cmの長さに伸びるのは手術後約1.5カ月頃で、早い方はこの頃からドナー傷が外から見えないようになります。
手術後2〜3日目では、短く刈った髪がまだ十分な長さに伸びていませんので、周囲の髪で傷を隠すようにしていただきます。実際の手術の際には、あらかじめドナー採取可能範囲の髪を約3.5〜4cm以上の長さに伸ばしておいていただきますので、手術直後からドナー傷はこの周囲の髪の長さで隠せます。つまり髪を長めに伸ばしてあれば、翌日から、ドナー傷を人に見られないで済みます。
傷が目立たない縫合法とはTrichophytic closureと呼ばれる方法です。頭髪の中にある傷跡が目立つのは傷跡に髪が生えていないからであり、たとえ傷跡あってもその傷から髪が生えていれば傷がないように見える、という理論で考案された特殊な縫合方法です。当院のホームページの「体験者写真集」のなかの「ドナー部の傷跡」にご紹介してありますので、ご覧になってください。数年前に国際毛髪外科学会で提唱され始めて、いまでは、世界中の植毛医の常識になっている縫合方法です。
手術の予約状況は日々変化します。年間では、ゴールデンウィーク、お盆、年末などは非常に混みます。これらの時期は半年以上前から手術の予約枠の空きが無くなるほどご希望が集中します。今年の年末のご希望が早くも入り始めています。
皆様にご迷惑をおかけしないように、最近、紀尾井町クリニック本院の手術枠を拡大増設いたしました。具体的には直接お電話でご希望の日時をご相談ください。幸運に恵まれた方は、たまたま1カ月以内の手術予約枠が取れる場合もあります。電話番号は 0120-572-350 あるいは 03-5215-5733 です。できるだけ皆様のご希望に沿えますように、いくつかの候補日をご提案させていただきます。
医師 柳生