植毛後について(maruさんの投稿)
自毛植毛を考えているため、他の書込みやインターネットなどでも良く調べたところ、
「自毛植毛失敗談」をよく見かけるのですが、そこで質問があります。
・植毛後の毛根の傷は「ほとんど目立ちません」と言われますが、結局のところボコボコは消えないと聞きます。実際どうなのですか?
そのボコボコは肉眼でも確認できるので、「スキンヘッドへ逃げることもできない」と手術後の苦情を書込む人を多数見かけます。
・ショックロスで抜けた髪は、生えてくるが、永久に生えてこないのも沢山あると聞きます。そうなのですか?
・長く通う皮膚科に「パーマ液には有害物質しか含まれず、必ずしも体に良い事は一つも無い。薄毛を進行させる原因。」と、パーマ液の成分の恐ろしさを詳しく教えて頂きました。
しかし、実際に他の自毛植毛の名病院へカウンセリングに行ったところ、「パーマをかけてボリュームを出すとかあるでしょ。」と、言われました。
有害物質を使ってのゴマかしを勧められた訳ですが、「パーマと薄毛の進行」にはやはり大きな関係があるでのすか?
皮膚科医にパーマ液の恐ろしさを何度も聞かされている分、自毛植毛のカウンセリングでのショックが大です。
文章力が無く質問が長くなり、申し訳ありません。
宜しくお願い致します。
maru
お返事
maru様へのお返事
自毛植毛の手術後に起こりうる問題点に関しましては、当院のホームページの「よくあるご質問(サポートFAQ)」の中の「術後に関するFAQ」をご参考になさって下さい。
①手術後に移植部の表皮に窪みができるのは主に技術的な原因によると言われています。自動植毛機による機械式植毛や、未熟な技術による植毛などの場合に起こりやすいと言われています。いったんできた窪みは修復困難です。標準的技術レベル以上のクリニックで植毛を受けられれば、そのような窪みが残る心配は少ないと考えられます。
②ショックロスという表現は通称です。正式には手術の影響による術後の脱毛(抜け毛の増加)と言います。ショックロスというと言葉がきついので抜けた髪は永久に生えてこないと思う人もいるようですが、実際には一時的な現象で、一般的には5〜6カ月後にまた髪が生えてきます。永久脱毛ではありません。しかも既存毛の一部が影響されるだけで、既存毛が全部抜けるわけではありません。毛髪は平均5〜6年毎の毛周期で生え代わるので、平均的寿命の成人男性が生涯で十数回髪が生え代わるとすると、1回先の次のサイクルの新しい髪に生え代わるだけです。
当院を受診される大多数のお客様は、太い終毛が細い髪質に変わり始めた段階で植毛手術を受けられますので、1サイクル先の髪質に生え代わっても、ほぼ元に近い髪質の髪が生えてきます。いきなり末期的なうぶ毛になるわけではありません。
目に見える限界の細さのうぶ毛の髪が生え代わる場合、目に見えない細さのうぶ毛に変わる可能性もありますが、そのような術前状態のお客様は、外見上は無毛のように見えますので、術後の一時的な脱毛に悩む可能性も少ないのが現実です。
③薄毛をカモフラージュする方法のひとつに、パーマで髪の重なりを増やして、髪の隙間から地肌が見えにくくする方法が有効だと欧米の教科書に書いてあります。髪の密度に関する理論的な話です。もちろんパーマ液で髪が傷むとか頭皮に炎症が起こるというのは、それとは別の技術的問題です。ナチュラル・ウェーブで細い髪質の白人と、日本人の直毛で太くてかたい髪質では、パーマの薬品も違うのでしょうか。パーマの専門家に意見を聞いてみたいところです。実際にパーマで頭皮に炎症が起きる方の場合は、パーマで薄毛を目立たなくする方法はおすすめできません。
以上、多岐にわたる内容のご質問でしたのでお返事も長くなってしまいました。ご参考になさって下さい。
自毛植毛の結果はどこも同じではありません。最終的にはあくまで自己責任でクリニックをお選びいただくことになります。十分に事前に比較選択してご判断下さい。
医師 柳生