第13回イタリア国際毛髪学会(ISHR)のご報告



2010年5月22日に開催された第13回イタリア国際毛髪学会(ISHR)に、紀尾井町クリニック本院の柳生元院長が招待され、研究発表をおこない、大変に注目されました。今回の発表の演題は「Management of Cardiovascular Risk in Hair Transplantation」でした。重い心臓病の持病をもつ多数の症例で、安全に植毛手術をおこなっている紀尾井町クリニックの高レベルの治療内容と優れた手術結果が、欧米の植毛医たちから高く評価され評判になりました。

この発表の中では、重い心臓病を合併した症例で、安全な手術をおこなうために役立つ最新の循環器的知識をまとめて発表しました。植毛専門医で、しかも、循環器専門医の資格も持つ柳生元院長ならではの発表内容に、世界中の植毛医たちが集中して傾聴していました。

植毛領域では、皮膚科や形成外科などの出身の医師が多く、循環器的な専門知識を持っていないため、心臓病をもつ患者さんは手術を断られているのが世界の現状です。心臓病をもつ症例は手術しないとはっきり明言する医師が大部分なのです。しかし、一見健康そうに見えても、潜在的な病気が進行していて、まだ心臓病を自覚していない患者さんが、手術中に予期せずに急変するような事態が起こるかも知れません。心臓の異変を事前に予防し、安全に手術ができるように、実用的ですぐに役に立つ循環器領域の最新の専門的知識をまとめて発表したものが、今回の柳生元院長の発表です。この発表に対して、学会会長や多くの医師から、たくさんの賞賛の言葉が寄せられました。







今年の第13回イタリア国際毛髪学会(ISHR)は、イタリア南部のカプリ島のHotel Quisisanaで5月20日から23日までの3日間開催されました。

今回の学会では世界各国の医師からの発表が寄せられ、濃厚血小板血漿(PRP)の育毛効果、成長因子と移植株の保存、プロスタグランディンと毛髪の成長、幹細胞研究の基礎と臨床、免疫反応の抑制、組織学的研究、炎症性脱毛、外傷性脱毛、女性型脱毛とミノキシジル治療やフィナステリド治療、頭皮の微小循環と男性型脱毛、FUE、FUEメガセッション、FUEの合併症、長髪の植毛、Trichophytic縫合、合併症の予防、ドナー傷の修正、低出力レーザー治療、瘢痕性脱毛への植毛、など幅広い内容の発表に関して、活発な討論がおこなわれました。


(注)ISHR:イタリア毛髪学会
ABHRS:アメリカ毛髪外科学会
ISHRS:国際毛髪外科学会