第14回ヨーロッパ毛髪外科学会(ESHRS)のご報告(1/2)

プレゼンテーション


第14回ヨーロッパ毛髪外科学会(ESHRS)・ライブ手術ワークショップに、紀尾井町クリニック本院の柳生元院長が出席し、自毛植毛に関する2題の研究発表をおこないました。発表演題は「Beta Blockage and Safety of Hair Transplantation」と「Hemodynamic Parameters Required for Safe Operation」でした。1題目の発表は、不整脈や心不全・高血圧などの治療に広く使われるベータ遮断薬を自毛植毛手術の前に中止すべきか否かを、最新のガイドラインに沿って解説したものです。循環器が専門でない医師でも安全に植毛手術がおこなえるように、最新の情報を提供しました。
2番目の発表は、安全に自毛植毛手術をおこなうための循環器的指針を総合的に示した、新しいガイドラインの提案です。今回の学会の最後を飾るトリの発表として、学会の最後に発表が割り当てられました。
また、最後のセッションは、柳生元院長が司会をつとめました。

最近1年間に経験した症例をお互いに披露し合った討論会では、柳生元院長が昨年手術した症例の一部を紹介しました。81歳男性で、解離性大動脈瘤、難治性高血圧、不整脈、脳梗塞、半身麻痺、言語障害、胃癌の手術などを乗り越えた症例で、合計4回の自毛植毛手術を全て安全に成功させ、合計約5,000株の移植を無事に終わらせて、手術後の経過も良好な症例を紹介すると、学会会長がコメントして、彼はもと心臓外科医だからできるのであって、そんな症例に安全な手術をできるのは世界でもドクター柳生しかいないから、ほかの医師はくれぐれも真似をしないように、と念を押していました。


司会



第14回ヨーロッパ毛髪外科学会(ESHRS)がドイツのミュンヘンで2011年6月2日~4日の3日間開催されました。ミュンヘン市は、歴史的な大都市でありながら、今でも文化の中心地であり続ける、活気あふれる元気な街でした。バイエルン州の旗に象徴されるような、空の青色と雲の白色があざやかな晴天が続き、さわやかな6月のドイツでした。
今回の学会の会場は、ミュンヘンで最も古い建築物の一つであるBayerischer Hof ホテルで、昔、宮殿として使われた建物が、今はパレスホテルとして使われています。毎日夕方には地元の人のパーティーが開かれて、着飾っておしゃれした若い人たちが集まって、にぎわっていました。すぐ近くには有名な聖母教会(Frauenkirche)があり、周辺の旧市街と繁華街は人出でにぎわっていました。