なぜFUTに対応できるクリニックが少ないのですか?
FUTの場合はドナーを帯状に採取した後、株単位に切り分けるという工程が必要となります。
ドナー採取してから株に切り分けて移植するまでのスピードと正確性が重要となってきますが、これには熟練した手術スタッフ(医師と看護師)が複数人、チームとして必要です。この技術習得は一朝一夕でできるものではなく、時間と手間がかかるものです。
これに比べるとFUEは株分けするステップがなく、くり抜いた時点で移植株がほぼ出来ています。そのためFUEの方が新しく始めやすい手術方法である、ということが言えると思います。FUTに対応できるクリニックの多くが老舗クリニックであるのに対し、比較的新しいクリニックがFUEのみに対応しているのはそのような事情もあるのではないかと推察しています。
誤解ないよう申し添えておきますと、決して「FUEの方がFUTより簡単である」わけではありません。FUEは医師の個人能力に依存する傾向が強いのに対し、FUTはチームの総合力が求められるという違いがあるということです。